元銀行員 ✖ 税理士フカオーくん のメチャクチャわかりやすい財務と融資のブログ

債務超過1億円からのV字回復2期で解消 銀行から融資を受けやすくなる決算書をつくる 銀行交渉が得意! 銀行に同行し面談・説明します! 節税 資金繰り

借入金額は同じなのに 返済額は増えていく? ②

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黒字なのに お金が増えない !?

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新規に面談した社長さんから

黒字なのに、お金が減っていくんです と相談があった

 

 

『先生、どうして うちの会社は、

 

毎年、利益 2,000万円 も出ている のに

 

経費もムダ遣いしていない のに

 

資金繰りがキツイ んですよ

 

どうしてですか? 』

 

 

その会社は、3期連続で黒字 だった

 

 

3期分、決算書を持ってきてもらった

ボクは 決算書をみて、すぐにわかった

 

 

社長は続けて

 

『今まで 決算書の説明してもらったことがないです

 

 資金繰りって何ですか?

 

 決算期に

 今期は、利益が2,000万円、税金は600万円、納付期限は月末。

 

 毎期、これだけです💫 』 と

 

 

きちんと対価を払えば、

きちんと説明してくれる先生はたくさんいる

 

 

税理士費用をケチったばかりに

アドバイスをもらえず

余計に税金を払っている 会社 や 個人事業主 

をたくさん見てきた

 

 

ホント、もったいない と思う

 

 

 

さて、例をあげてみよう

 

売上規模が3億円の卸売業 で

10年前の借入金の残高が 1億2,000万円 であった会社

 

返済期間は5年の  60回払い 

毎月の返済額は   200万円/月

年間の返済額は 2,400万円/月 だった

 

毎年の損益は

法人税等の税金を払う前の利益は  2,000万円

法人税等の税金を払った後の利益は 1,400万円

減価償却は 1,000万円  とする

 

 

借入金を払う前の段階で

毎年、会社に残るお金を計算すると

 

税金を払った後の利益 1,400万円 + 減価償却費 1,000万円

=2,400万円 となるんです

 

借入金は、この残ったお金で返済していくから・・・

 

 

そうすると

年間の返済額 2,400万円 と 

借入返済する前の会社に残るお金 2,400万円 は一致

よって 

手持ちのお金は 減りもしないし、増えもしない

 

 

 

余談だけど たまに

借入金を 経費 と思っている社長がいるけど

借入金は借りたお金であって経費じゃないからね

 

 

返済した額が経費になるなら

借入した時に、それを売上にしないといけない

 

 

500万借りました 

だから 500万売上にしました

としていないでしょ

 

借入金は借入金 

借りたお金を返しているだけ

 

でも、

なかなか分かってもらえないことがある💦

 

 

さて、さて、

年月が経って 借入残高が減ってくると

 

メインバンクの銀行員 から

 

『社長、借入金が減ってきたので

 会社の業績も順調ですし、

 3,000万円 借りませんか?

 と融資を勧められる

 

あ~、ありがたい😍

 

うちは、減ったら、すぐに貸してもらえる~

うちは、いい会社なんだ~

 

銀行員の言われた通りに 

喜んで 喜んで 毎回、毎回、借入してきた

 

 

そんな社長さん いっぱいおると思う

 

 

ここで話を戻すね・・・

 

10年前も、今ある借入金も 1億2,000万円 

 

なんだけれども 今の借入金は

 

毎月の返済額は   400万円/月

年間の返済額は 4,800万円/月

 

に返済額が増えている 

 

 

そうすると

借入を返す前の会社の残るお金は 2,400万円 だから

 

残ったお金 2,400万円 - 年間の返済額4,800万円

 

と 毎年 ▲2,400万円 も足りなくなる

 

 

これじゃあ 

 

毎年 利益を 2,000万円 だしても 増えないよね

 

なんで うちには お金がないの?

お金は どこいった?

こんなに 資金繰りが苦しいのは なぜなんだ ってなってしまう

 

 

この会社の 借入金の残高の中身 をみてみたら

 

返済期間の残り1年の借入金が  1,200万円 

返済期間の残り2年の借入金が  2,400万円

返済期間の残り3年の借入金が  3,600万円

返済期間の残り4年の借入金が  4,800万円  だった

 

 

だから 毎月の返済額は

 

 1,200万円/12月 =100万円/月

 2,400万円/12月 =100万円/月

 3,600万円/12月 =100万円/月

 4,800万円/12月 =100万円/月 

          合計  400万円/月  だった

 

 年間の返済額は 4,800万円 だった

 

 

なぜ、こういう風になってしまったか というと

 

足りなくなった分、減った分だけ 

つぎはぎ つぎはぎ 

で借入を続けたから

 

残高が 2,000万円減ったら 2,000万円を借り

残高が 3,500万円減ったら 3,500万円を借りてきたから

 

 

そこで

この会社は 借り換えをした

 

借入金    1億2,000万円 に

新規融資     3,000万円 をプラスして 

借入金総額  1億5,000万円

返済期間   10年 で借り直した

 

 

そうしたら

毎月の返済金額 

 

1億5,000万円/120回 = 125万円/月 

 

年間の返済額 は

 

125万円/月 × 12月 =1,500万円/年

 

になった

 

 

 

借入金の残高が3,000万円も増えた のに

 

返済金額は 毎月 ▲  275万円 減って

 

年間の返済額は  ▲3,300万円 も減った

 

 

そうしたら

 

返済できる額 2,400万円 - 年間の返済額1,500万円

 

となるから 毎期 900万円 手許に残ることとなった

 

 

 

もう この社長さん、夢みたい と。

 

 

毎年 900万円 も残れば

 

資金繰りに余裕ができて、気持ちにも余裕 ができる

 

経営に集中できる

 

チャンスの時に 事業拡大を狙って 新規事業にも投資できる!!

 

いいことしかない

 

熱心な銀行員も 前の先生も

 

こんな簡単なこと

 

なんで 教えてくれなかったんだろう?

 

 

何もしとらんのに 借入金を見直しただけ で 

 

こんな簡単に 資金繰り改善 するなんて 

 

ビックリしました~

 

ありがとうございます!!

 

と喜ばれました👍

 

 

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ま と め

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借入金を見直すだけで

資金繰りが改善することは

よくある

 

借入金を見直すためには

好業績が大事!

 

好業績のときほど

銀行交渉が優位にすすめられますよ