元銀行員 ✖ 税理士フカオーくん のメチャクチャわかりやすい財務と融資のブログ

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来期は利益が大幅アップ! 役員報酬は、どう決める?

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最優先に考えるのは、税率??

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「来期の利益は、7000万円を超える。

 役員報酬をあげようと思うけど、

 どうかな?」

 

役員報酬をあげると、

 所得税率があがりますよ。

 法人税の方が有利ですよ。

 社長の給与は

 据え置いたままにしましょう」

 

これって、どうだろうか?

このように言われたことのある社長さん、

いないだろうか?

 

利益が多い会社の役員報酬

について、

どのように考えたらいいのか、

検討してみよう。

 

先に結論を言うと、

一律の正答はなく、

会社の状況によって異なってくる。

 

事実、

役員報酬が高いと、所得税率は上がる。

所得税+住民税)

課税所得のうち

1800万円超の分は、

所得税率が40%となる。

4000万円超の分は、

所得税率が45%となる。

住民税をあわせると、

50%、55%だ。

 

逆に、

法人税の税率は33%くらい。

 

この税率だけを見て、

税金払うのがもったいない

ですよ。

社長の給与は据え置いて、

法人で利益を出しましょう

という会計人がいる。

 

でも、

会社の目指す方向性が同じでないのに、

今現在、課される税率、税額だけで

会社の利益役員報酬の額

の決定判断をしてよいのか?

 

会社の将来の姿 が

1 バイアウトする (会社を売る)

2 親族または従業員が承継する

このどちらかによっても

役員報酬の決め方は変わってくる。

 

後継者がいなくて、

三者へのバイアウトを検討しているなら、

役員報酬を抑えるのがいいだろう。

会社を高く売るためには

バイアウトする前の3年間は、

会社の利益の最大化を優先させるためだ。

 

逆に

親族や今いる従業員が事業を承継するなら

会社の利益を最大化する必要はないだろう。

会社の利益が増え続けると、

会社の価値も上がるので、

会社の株価が上がる。

毎期5000万円利益がでて

20年続いたら10億円になる。

仮に、

この7割ほどが自社株の評価となった場合、

相続の時に、

自社株の評価は7億円となる。

 

相続時に、

有益な事業承継対策があればいいけど、

そうでない場合で

相続人が子2人、

相続財産の課税価格が8億円だったら、

1人あたりの法定相続分は4億円で

1億円を超えた分の税率は40%、

2億円を超えた分の税率は45%。

3億円を超えた分の税率は50%

となる

この場合の相続税額は、3億1600万円だ。

 

税率をみてほしい。

法人税率より高くなる場合がある。

難しい話をするけど、

法人税を払った後の利益に、

課税されるということだからね。

損だよね。

 

役員が退職する時には、

役員退職金を出して自社株の評価額を下げればいい

って簡単に考えている人がいるけど、

役員退職金には、

税務上目安となる上限の金額があるんだよね。

退職時給与×役員在任年数×功績倍率

 

仮に、

退職時の給与が100万円

役員在任20年

功績倍率3.0(社長の場合)

だったとすると

100万円×20年×3.0=6000万円

 

これだと

退職金は6000万円にしかならない。

利益5000万円が20年続いて

会社の価値は10億円になっているから

6000万円を引いても

9億4000万円の価値は残るんだよね。

 

なおかつ、

税金が3億円になって

相続財産に、現金預金がなかったら

相続税を払うことはできない。

 

会社の従業員が

株を贈与で承継することになったら

相続税よりも税額は高い。

 

将来、事業を承継した子が、

相続税を払えないからと

銀行から融資を受けて

自分の役員報酬から、

銀行へ借入金を返済するなんてことが

起きるかもしれない。

 

このような状況で

事業承継をしたいと思うだろうか?

後継者は、幸せになれるだろうか?

 

今、法人税率が所得税率より低いからといって

役員報酬を増やすのをやめ、

会社に利益を出すことを選択して、

会社と個人の税額が最安値となっても

20年後の状況によっては、

会社と個人の税額の最安値とならない場合があるんだよね。

 

法人税率が有利だからと、

役員報酬を上げずに、

何十年もかけて

会社に利益をたくさん出し続けて

株価が何十倍、何百倍にもなった決算書をいくつも見た。

銀行は、自己資本比率が高いと喜ぶんだよね。

 

親族や従業員に事業を承継させたいのであれば

会社の利益を抑えて、

将来の自社株の評価が上がらないようにするのをおススメしたい。

 

ただし、

銀行から借入金があって、

銀行対策上、

借入金の償還力を維持する必要がある場合は、

会社に相応の利益を出す必要はあるよ。

 

儲かっている会社であればあるほど、

役員報酬を決定する場合には、

将来の会社の方向性(バイアウト、事業承継)を考え、

会社の利益、将来の株価も考慮して

役員報酬を決めることは大事だと思う。

 

役員報酬の額を決めたら、

事前確定届出給与を活用するのも

いいと思う(役員賞与)。

 

会社によって、

いろいろな状況を総合的に勘案する必要があるので、

これらを検討してくれる税理士に相談するのがオススメ。

 

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